以下では、本書に対して想定される強い批判を整理する。狙いは免責ではない。本書が何を認め、何をなお主張するのかを、批判ごとに切り分けることである。各項目は「批判/なぜ重要か/本書の応答/残る不確実性/本書全体への影響」の五項目で整理する。

#批判関係章影響
1AGIはそもそも実現しないのではないか1, 12
2スケーリングは飽和するのではないか3
3AIXIやソロモノフ帰納との接続は理想化されすぎではないか3低〜中
4ランダウアー限界からAIの上限を語るのは飛躍ではないか4
5シャットダウン回避や脅迫の実験は特殊条件ではないか5
6物理的に可能ならいずれ実現する、という前提は強すぎないか6
7可知性マップは概念図であり、AIの科学が分岐するという主張は推測ではないか8
8交渉力が権利を支えたという議論は還元主義ではないか10
9UBIは財源と政治的実現可能性を欠くのではないか10, 12
10AI福利とAI法人格の分離は不安定ではないか11
11構成的多元主義の実現可能性そのものが楽観論ではないか全体
12AGI開発は本当に止められないのか12
13AIを使って書いた本の著者性は揺らがないのか全体
14ハイエクの警告と本書の構成的多元主義は両立するか10, 11, 12
15構成的多元主義は抽象的すぎるのではないか11
16HOLは形式的にしか機能しないのではないか11
17日本AGI基盤は国策プロジェクトの夢想ではないか12

想定される批判の一覧。並びはおおむね、特定章の主張範囲を狭めるにとどまるものから本書の中核を揺るがしうるものへと進む(14番以降が「影響:高」)。

1. AGIはそもそも実現しないのではないか(第1章、第12章)

2. スケーリングは飽和するのではないか(第3章)

3. AIXIやソロモノフ帰納との接続は理想化されすぎではないか(第3章)

4. ランダウアー限界からAIの上限を語るのは飛躍ではないか(第4章)

5. シャットダウン回避や脅迫の実験は特殊条件ではないか(第5章)

6. 物理的に可能ならいずれ実現する、という前提は強すぎないか(第6章)

7. 可知性マップは概念図であり、AIの科学が分岐するという主張は推測ではないか(第8章)

8. 交渉力が権利を支えたという議論は還元主義ではないか(第10章)

9. UBIは財源と政治的実現可能性を欠くのではないか(第10章、第12章)

10. AI福利とAI法人格の分離は不安定ではないか(第11章)

11. 構成的多元主義の実現可能性そのものが楽観論ではないか(全体)

12. AGI開発は本当に止められないのか(第12章)

13. AIを使って書いた本の著者性は揺らがないのか(全体)

14. ハイエクの構成主義的合理主義への警告と、本書の構成的多元主義は両立するか(第10章、第11章、第12章)

15. 構成的多元主義は抽象的すぎるのではないか(第11章)

16. HOL(Human-over-the-Loop)は形式的にしか機能しないのではないか(第11章)

17. 日本AGI基盤は国策プロジェクトの夢想ではないか(第12章)